糖尿病講習会

春日部糖尿病懇話会に参加してきました。春日部市医師会による主催で、糖尿病についての知見を周知するべく多くの医療関係者に門戸を開いていただいています。
 かつては糖尿病と歯科の関連は糖尿病をもった患者、つまり「有病者」に対する歯科治療時に留意するべき点などが主でしたが最近、糖尿病と歯周病の関連が注目され糖尿病を有する方は歯周病が進行しやすいこと明らかになっています。ごく最近の研究ではさらに進んで、相互に影響、つまり今までの「糖尿病を有している方は歯周病が進行しやすい」だけでなく、「歯周病の方は糖尿病も進行(悪化)しやすい」ことがわかり始めています。それぞれの病態がお互いを悪化させている要因の一つとなっているようです。
 このことから、糖尿病を改善するためのアプローチとして歯周病もあわせて治療することでお口の健康管理が全身の健康増進へ貢献できます。
 今回の講演内容は、直接歯科と関連はないのですが、糖尿病治療の現状を知ることができて参考になりました。治療のまず一歩は生活習慣の改善が主で、なるべく薬にたよらないとのことでした。つまり患者さんへの動機づけ、病気に対する教育、食事指導、運動指導などなど。。これをチームを作り多くのスタッフにより対応されているようです。これは薬を処方しておわりにする治療とは逆に非常に労が多い方法ですが、病状が進行して糖尿病合併症の発症を予防するには有効であるとのことでした。生活習慣病なのでその原因である生活習慣を患者さん本人に変えていただく方法です。
 その講演のなかで糖尿病を悪化させる主な要因のうち「高血糖」「高血圧」「高コレステロール」のほかに「喫煙」があることに注目しました。歯周病においても「喫煙」は悪化させる要因の一つなので、禁煙について患者さんとお話しするときにはより全身への悪影響が大きいものとして再認識しなければならないと感じた次第です。

2016年07月15日